旅行や、中国語の留学先としても日本人に大人気の「台湾」
日本では台湾の良い面ばかりがクローズアップされているかと思いますが、
台湾には環境面で日本に劣ることが幾つもあります。
そのうちのひとつが、「大気汚染」
暑い季節がやっと終わった・・・!と思ったと同時に、空気の悪い冬が始まります。
今日は台湾の「大気汚染」について、在住者の私が正直にお話したいと思います。
台湾では、大気汚染を自身でチェックできる
台湾の大気汚染は、正直深刻です。
そのため国民一人ひとりが現在の空気の状態を、政府のホームページ「行政院環境保護署」で確認することができます。
日本政府のホームページは、あちらこちらに飛ぶ必要があったり、必要な情報が1ページにまとまっていないことが多いので、
ホームページ自体は、かなりシンプルでわかりやすくて良いなぁと感じました。
政府の公式ホームページ以外にも、現在の空気を確認するための様々なアプリやサイトが存在しています。
さて、ベランダから見える景色がモクモクしていて
目の前にある河の向こう側にある建物が曇ってよく見えなかった日は、台湾の公式サイトでこんな説明がされていました。
2018年03月03日空氣品質概況:
一、今日空氣品質概況:
今(3)日各地大多為多雲到晴,東半部地區及西半部山區有零星短暫雨。
北部及雲嘉南空品區為「紅色警示(對所有族群不健康)」等級,竹苗、中部空品區、金門及馬祖為「橘色提醒(對敏感族群不健康)」等級,高屏、宜蘭空品區及澎湖為「普通」等級,花東空品區為「良好」等級。【3日は各地で曇りのち晴れになるであろう、東部地区や西半部山地区では短い雨になるであろう。北部と雲南、嘉義、台南の空品(空気の品質)は、「赤色警報(健康的被害がある)」でレベルである。】
分布図はこんな感じ。
やっぱりこの日はかなり空気の悪い日。
PM2.5とAQIの違いについては、「韓国で史上最悪の大気汚染が発生!ソウルに滞在中の筆者がレポートします。」にまとめましたのでこちらも見ていただけると嬉しいです。
台湾大気汚染の原因
「今日は空気が悪いよね〜」なんて言おうものなら、台湾人から
「大陸から悪い空気が流れてるからだよ!」と怒られますが、実際のところ台湾国内の問題も多いのではないかと思っています。
空気が悪くて有名な都市といえば中部の台中や、南部の高雄ですがこの辺りは工業地帯になっています。
台中には世界最大かつ最古の火力発電所もあります。
台湾には日本や他アジア先進国と比べて繊維産業や鉄鋼など環境によくない工場がたくさんありますし
古い工場は自身の利益だけを考えて、白煙を気にせず、汚染を垂れ流していると言います。
また、国民のほとんどがスクーター(オートバイ)を一台保有して、ある程度発展した国とは思えないくらい街でブンブン走らせているし・・・
公害問題を考えると、アジアで日本より住みやすい国はないよなぁ・・とつくづく思います。
台湾の大気汚染に対する個人的な想い
空気が悪いと、気持ちも少し落ち込んでしまいますが
実は私はそこまで「台湾の大気汚染」を気にしていません。
というのも、台湾の平均寿命は女性が83才、男性が77才なんだそう。
台北の年配の方だと90才を超えている人も割と見かけるし、そりゃあ日本のお年寄りほど若くは見えないけど
名だたる先進国とそう差がないわけだし、健康に問題は特にないのかなーと思ってます。
そんな風に思うのは、学生時代のとある思い出からかも。
昔、ロンドンに留学していたころ
住んでいたハムステッドの女子寮はカトリック系の寮で、アイルランドやウェールズからきた修道女のお婆ちゃん方がたくさん住んでいました。
寮は4階まであったのですが、エレベーターがなく細い階段を上り下りしなくては行けなくて、お婆ちゃんたちは上り下りに一苦労。
本当にながーい時間をかけて登っていました。
ある日私が「エレベーターとかさ、せめて手すりだけでも付けたらいいのにね。おばあちゃん、不便だよね」と話しかけると
「何を言っているの。そんなことをしてまで生きたくないわ。人間できることをできなくなった時が寿命なのよ」と言われました。
もう何年も前のことだけど、今でも鮮明に覚えていて
そりゃそうだよなあ、と納得した覚えがあります。
不便を愛する英国人。
話がすごく逸れてしまいましたが、
例えば私が台湾でまだ何年も過ごして
ずっと日本にいたら87歳まで生きられたのに、
82歳で当時の空気汚染が原因で肺がんになって死んでしまったという人生ならば、
まあそれはそれでしょうがないのかなーと思うっていう話です。
インドだって毎日台湾の20倍位のPM2.5だっていうのに、平均寿命は68.5才(2015年)というじゃないか。
人間って強いんだなーと本当に思いますね。
よろしければクリックお願いします ( ˊᵕˋ )
にほんブログ村
コメント