子宮卵管造影検査とは、子宮や卵管の健康状態を確認する検査で、女性疾患の検査以外に不妊の初期検査としてもよく知られています。
とても大事な検査であるにも関わらず「強い痛みがある」と受けるのを躊躇する人が多いようです。
今回この『子宮卵管造影検査』を台湾で受けてきたので、実際体験して感じたこと、日本との違いなどを書いてみたいと思います。
子宮卵管造影検査(HSG)とは?
子宮卵管造影検査、通称HSG(hysterosalpingography)とは、造影剤というねっとりした液剤を子宮内から卵管に通して、子宮内部の状態と、卵管の通過性を調べる検査です。
この検査では、
- 子宮の内側の状態(子宮奇形など)
- 卵管が通っているか
- 卵管周囲が癒着しているか
をみることができ、女性疾患や自然妊娠の可能性を調べることができる大切な検査です。
不妊検査の一環として受ける場合には、造影剤を通すことで卵管が通りやすくなり、検査後6ヶ月間は妊娠しやすくなる可能性もあるそうです。
『子宮卵管造影検査』は、台湾の普通の婦人科・クリニックでは設備がなくやっていないところが多く、大きな総合病院で受けることになります。
今回私は台北の『馬偕醫院』で検査を受けてきました。
出典:子宮卵管造影(HSG:hysterosalpingography)
費用や予約までの手順
「子宮卵管造影検査」は、子宮や卵管の機能を調べる検査ですが「受けたい」と思ってもすぐに受けられるものではありません。
子宮卵管造影検査はリスクがある検査なので、まずは「検査を受けるに値する」と婦人科の先生に診断してもらわないといけません。
不妊治療の一環ならまずは血液検査や問診など初期検査を受けてから、必要と判断(もしくは希望すれば)子宮卵管造影検査に進みます。
この検査は保険適用なので、通常だと300元(約1200円)ほどの負担で済みますが、検査時に子宮内に挿入する管を選ぶ場合は、別途費用が掛かります。
保険適用の場合は消毒し繰り返し使えるタイプのもので、
保険適用外の使い捨てタイプだと別で+800元(約2400円)かかります。
が、使い方タイプのものは管が柔らかく、痛みがすくないとネットに書かれていたのをみて、私は使い捨てタイプのものにしました。
婦人科で問診をして先生に検査を受けて良いと判断されてから費用を支払い、そのままレントゲンの受付に向かい、次回の予約を入れます。
予約といっても、翌月の〇〇日あたりに検査をしたいです、と伝えるだけで実際の日程は、生理が来てから電話で予約をします。
子宮卵管造影検査は、生理終了直後〜排卵前までに行う必要があるので(妊娠の可能性がない状態で)生理がきたらすぐにレントゲン室に電話し、検査日の予約をとります。
予約用の電話番号を婦人科の問診時に看護師さんに聞いておかないと、
大きな総合病院ではどこへ電話したら良いか分からず、電話をたらい回しにされて嫌な思いをする可能性があるので注意してね(自分で聞かないと親切に教えてはくれません)(経験者は語る)
当日の検査の流れ
2日前〜検査当日
検査は痛みを伴い、出血や感染の可能性もゼロではないということで、2日前の夜から抗生剤を飲み始めます。
抗生剤は、2日前の夜〜検査の2日後までで、5日間くらい飲みます。
もうこの薬を飲み始めた2日前の夜から、
ああ…ほんとに検査受けるんだ…と憂鬱な気持ちでした
痛み止めの飲み方
痛みにとても弱くて怯えていた私。
痛み止めの飲み方は、どう飲んだら効果があるのかを入念に調べました(笑)。
痛み止めと胃薬は、当日から朝・昼・夜・就寝前の1日4回で3日分が処方されます。
検査は午後の2時ごろからだったので、勝手に朝・昼・検査の30分前と変更して飲むことにしました。
そして病院に着いたらすぐにレントゲン室の受付に行き、案内された通り更衣室で検査服に着替えました。
着替えは病院に用意されたもので、この日はワイヤーなしの下着をつけていたのですが、上下下着はつけたままで検査服だけ羽織ってレントゲン室へ向かいました。
その後、担当してくれる先生から質問や検査に関する説明(効果やリスクなど)があり、いよいよ検査です。
余談なんですが、検査してくれた先生が高校生かと思うくらい見た目の若い女の子で、私の健康状態に全然興味なさそう&めんどくさそうで、逆に緊張がほぐれました w (そうよねこんな検査毎日何十回とやってるのよね、とw )
検査と痛み
検査自体は約10〜15分。
うまく管が挿入できるか、造影剤が入っていくかによってかかる時間がかわるということで、これは注射や脱毛なんかと比べてもかなり長い時間痛むじゃないか!とドキドキしていました。
でも、実際に私が検査中痛いと感じたのは2つのポイントで、合計で1分もなかったように思います。
ひとつ目は、機材を挿入して子宮口で固定するとき。
潤滑剤を使っても、おそらく角のある異物を膣の奥に挿入する過程は、やっぱりヒリヒリとしてすごく痛いと感じます。
それから、この過程で日本の病院では、バルーンを膨らませて子宮口を固定する、と書かれているのですが、台湾の病院では『バルーン』を使っていない様に感じました。ふくらましている様子が全く感じられなかったので、挿入後は痛みが少なかったです。
とはいえ私は怖くて事前に何の器具を使うのかを見ないようにしていたので、気になる方は病院(先生)に確認してみてください。
そしてふたつ目は、子宮に挿入した造影剤の量が一番多くなったとき(おそらく卵管に造影剤が入る瞬間?)でした。
この痛みは「重い生理痛」と表現されることが多いんですが、私は生理中の下腹部痛がかなり軽いほうなので、生理痛という感覚がわからず、
鍼治療で悪い箇所に当たったときのズーンとした痛みとか、内臓を体の中からギュッと締め付けられるような痛み(なにそれ)と感じました。
この痛みも大体1分くらいだったんですが、痛みで汗と涙が出て「痛い痛い!」と日本語で叫んでお医者さんに「わかったわかった(と言いながら手は止めない)」と呆れられていました(苦笑)。
ただそれ以外の、造影剤がただ子宮に流れているときはなんだか暖かいものがお腹の中に入っていく感覚で、痛みも何も感じなかったです。
検査終了後にガーゼを膣に挿入し、終了。
検査後の注意点
検査後は、以下の点に注意します。
- 尿は検査の2時間後に自分でガーゼを外してから
- 2時間後は水をたくさん飲んで造影剤を尿として排出するように努力する
- 3日は挿入をしない
- 通常の生理以上の出血や痛みがあった場合はすぐに病院に連絡する
私の場合は、特に下腹部や膣が痛むこともなく、検査後はすぐに着替えて普通に歩いて帰宅できました。
頑張った自分にご褒美や〜〜と買い物として甘いものまで食べるくらいピンピンしていましたw
最後に
「卵管造影検査」は、不妊検査だけでなく、婦人疾患の早期発見にも繋がる大切な検査です。
私も検査前は「とにかく痛い」という噂を聞いて憂鬱でしたが、実際に経験してみると思ったよりも痛くなかったです。
日本では同様の検査を受けたことがありませんが、台湾の看護師さんが自由におしゃべりしている様子は「あ、よくある検査で大したことではないんだ」と思えて緊張がほぐれて私的には良かったですし、全然麻酔を打つほどの痛みでもないかなと。
痛みにはかなり個人差があると思うので何とも言えないですが、
私は子供の頃から痛みに弱く、婦人疾患も多かったので、たぶん痛かったほうなんだと思います
なので、病気の疑いがある方・不妊の初期検査を受けるか悩んでいる方は、痛みに怯えすぎずに、受けてみてほしいと思いました。
台湾での子宮卵管造影検査に際しては、お友達であり先輩でもある、07-17さんのブログを読み倒した上で相談まで乗ってもらいました。07-17さん、本当にありがとうございました…!
それでは、また〜。
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