こんにちは〜。
台湾在住のryoです。
そろそろ妊娠35周ということで、出産が近づいてきました。
そこで台湾の産休・育休事情について気になったので、女性だけでなく、男性の育休期間も含めて調べてみましたっ…!
20代のほとんどを台湾での仕事に費やしてきたのに自身の妊娠ではフリーになったため産休と育休を取れず、淡々と働き続けている要領の悪い私(号泣)。
ただ夫が育休を取るというので、この機会に改めて台湾の産休制度について調べてみることにしました。
【男女別】台湾の妊娠中から産後までのお休み一覧
台湾で妊娠・出産に関わるお休みは、一覧にするとこんな感じ。
種類 | 女性 | 男性 |
妊婦健診休暇 | ◯ | |
生理休暇 | ◯ | |
胎児安静休暇 | ◯ | |
産休 | ◯ | |
流産休暇 | ◯ | |
健診&産休付き添い休暇 | ◯ | |
育児休暇 | ◯ | ◯ |
期間や有給の有無(100%日給が出るのか、半分有給なのかetc)など詳しく見ていくよ〜
日本の感覚だと「100%有給」「50%有給」って何?と思うかもですが、超合理的な台湾企業では、有給を給与から日割で計算して、100%の有給日や50%の有給日などを定めています…!
【女性】妊婦健診休暇(產檢假)
妊婦健診のためのお休み。
一般企業の会社員は7日間、公務員は8日間となっています。
すべて有給で100%給与が出るんですが、休みが取れるのは半日のみなので注意!
確かに妊婦健診は半日以内で確実に終わるけどさ、無駄な休みは与えないあたりホントに合理的だな〜(笑)。
【女性】生理休暇(生理假)
産休というよりも、妊活中の女性にも優しい休暇といってもいいかも。
台湾の企業では月に1日、生理休暇をとることができます。ただ有給は50%なので、休むと給与から日給の半分天引きになります。
病院への診断書などが不要なので、100%有給の「特別休暇」を使いたくないけど休みたいときにみんな使ってましたw (100%有給は使いきれないと翌年給与に換金されるので、休みを取る優先度は生理休暇のほうが高いのです)
【女性】胎児安静休暇(安胎假)
担当医師の「絶対安静」と判断と診断書があれば、企業の会社員の場合は30日、公務員は28日の休みを取ることができます。「病欠」扱いになり、有給は50%支給。
台湾の会社では毎年給与査定に伴う面談があるのですが、その基準を決める際に「出勤状況」を見ます。決められた有給など以外に、休みがちな人はその年の査定に響いてしまう可能性が。
ただ「安胎假」の休暇は、査定に響かないので、全勤(=その月や年に欠席がない状態)をキープできます。
※「安胎假」が取れるのは最大30日のみなので注意!
【女性】産休(產假)
一般企業の会社員は、8週間(土日祝日含む)、公務員は42日間の休みが取れ、この間は100%給与が支給されます(100%有給)。
入社して6ヶ月未満の場合は、50%有給になります。
アルバイトでも取れるよ
【女性】流産休暇(流產假)
残念ながら授かった赤ちゃんを流産してしまった場合に、以下のお休みが認められています。
- 妊娠3ヶ月以上での流産: 4週間の有給(100%)
- 妊娠2〜3ヶ月での流産: 1週間(無給)
- 妊娠1ヶ月以内での流産 : 5日間(無給)
「無給」の休みって何?って日本の感覚からすると思うけれど、【女性】胎児安静休暇(安胎假)のブロックでも説明した通り、休みを勝手にとると給与査定に響くので「会社に認められた休み」というのが台湾では非常に重視されるよ
【男性】健診&産休付き添い休暇(陪產檢及陪產假)
やっと男性の休暇ターン!
パートナーの出産時、健診や産休を含めて合計で出産前後に7日有給を取ることができます。(100%有給)。お休みは出産前後15日間にとる必要がありますが、土日は含まないので、最大で9連休に。
うちも含めて周りの日台夫婦を見渡しても、妊婦健診には毎回ついてきてくれる旦那さんが多いので、台湾には「妊婦健診付き添い休暇」があるんだと勘違いしていました。
今回改めて調べ&聞いてみると、健診には「有給」を使い、出産前後にこの付き添い休暇を申請するようでした(こういうパターンの人が多いみたい)。
【女性&男性】育休(育嬰留職停薪)
さて、男女共に平等に認められているのが「育休」。
子供が3歳になるまでは、夫婦それぞれ最大で2年間まで育休をとることが可能です。ただ、給与の支給があるのは最初の6ヶ月のみで、60%の有給になります(共働きの場合は、お互い半年ずつとると収入が安定しますネ)。
もし1年間の育休中に、第二子を出産した場合、さらに+2年の育休申請が可能に。
何人産んでも、産んだ子の分の育休を申請することができます。
ただ育休期間中(休み中)にまた妊娠がわかった場合、復職してからでないと産休をとることはできません。
育休中にまた妊娠して産休のために職場復帰する人も見たことあります…!日本だったら中々言えないだろうけど、台湾だと制度だからと他人の顔色気にせずにバンバン申請している人が多い気がする。すべては環境の問題だねぇ
その会社に6ヶ月勤務勤めていること、全体で1年以上の労働保険に加入していること(合計で1年以上台湾の会社に勤めて労働保険費を払っていること)が育休申請の条件になります…!
台湾人男性の育休取得率は?
年間の台湾人男性の育休取得率が一覧でみれるようなデータが見つからないんですが、新北市政府勞工局の情報によれば、2016年(古い)の育休取得率は女性が82.62%、男性が17.38%でした。
自分の感覚でしかないですが、この82.62%に入らなかった11.38%の人たちは、「職場に申しわけないから休みを取らない」のではなくて、シングルだったり、子供を産まない人たち(誰もがみんな産めるわけでもない)なのではないかと感じます。
台湾企業でこれまで7年働いてきて出産・妊娠を理由に育休とらず退職した人を私はひとりも見たことがないです。ただ職場の10人に1.5〜2人は結婚しない女性はいるので、その割合かなと。
2016年時点でも意外と男性の育休取得率も高め(といっても17.68%ですが)ですね。最新のデータが見当たらないのですが、工商時報によれば、2021年の8月には男性の育休申請率は2300人超えとのこと。
勝手にx12して年間の申請人数が27,600人とし、2021年4月〜2022年3月までの男性の就労人数75,600人出計算した場合、約36%ってところでしょうか。
まあ台湾の男性正社員の総数がわからないのと、年齢帯によって取得率も異なると思うから正しい計算が難しいですが…。
ちなみに日本の育休取得率は女性が81.6%、男性が12.7%らしいので(2020年の統計上)数値的には2016年の台湾とそう変わらないのかな、という感じでした。男性の取得率は、やっぱり台湾のほうが高そうですね。
日台夫婦の我が家は、どうする?
私は個人事業主として企業とフルタイムの業務委託契約をしているので、働かない=収入の減少に直結します(汗)。
そのため産休の休みは体に負担のない最低限で見積もっているのですが、夫の会社はかなり融通が効くようなので、今のところ
- 妊婦健診は有給でまかなう
- 出産前後は7日の付き添い休暇をフルで(土日入れて合計9日)
- 育休が使える期間内に最低半年(60%の有給)〜
で考えています…!
つくづく自分は要領が悪いなあと思うけれど、激務のまま仕事を続けていたらきっと妊娠には至らなかったと思うので、これも運命だなと。辛い妊娠初期を自宅で休みつつ仕事できたのも助かりました…!
北欧男性の育休取得率は8割超え。東アジアもがんばれ
北欧のフィンランドでは男性の育休取得率は8割にものぼるんだそうです。台湾や日本を含む東アジアの国々と比べると、北欧男性の育休取得率は圧倒的に高いですよね。
労働法として、会社の福利厚生として定められているにも関わらず、取得率が低いのってそうさせない環境にしか原因はないはず。
最近の同世代(30前後)のカップルをみていると、育児休暇をとるパートナーの男性がかなり多いですし、台湾人男性の育休取得率ってこれからもどんどん上がっていくんじゃないかなと思います。
台湾はアジアで初めて同性婚が認められた国でもありますし、個人的には中国とのバランスをとりつつも、社会保障にもどんどん力を入れて、リベラルで国民の力で政治が動き続ける規模の小さめの民主主義国家であってほしいと思ってます。
日本も台湾も、自分の子供が大きくなる頃には今よりももっと生きやすい、より良い社会になってほしいなあと思います。
それでは、また〜。
コメント
卒論で台湾の産休育休を取り上げる予定で参考にさせていただいています。流産の休暇に関する記載の参考URLなどはありますか?ほかの休暇は参考文献が貼り付けてありとても卒論記述の参考になったのでもしあれば教えていただきたいです。何卒宜しくお願いいたします。