2021年の3月末に、約1年半ぶりに日本へ一時帰国したのですが、6月に台湾へ帰ってきました。
この記事では、『警戒レベル3』状態の台湾へ入国する際の流れや費用、注意点について、私が経験した範囲でまとめていきたいと思います。
※この記事は、2021年6月27日より一段と厳しくなった台湾の入国制限を受けて、内容を修正しています。
状況は日々変わるので、この記事だけを鵜呑みにせず
台湾への出入国時には必ずTCDCの情報を確認してね。
参考:Taiwan Centers for Disease Control
現在の台湾の状況は?
台湾はこれまでコロナ優等生と言われており、この1年以上、withコロナとは無縁の生活だったのですが、5月15日頃にクラスターが出たのをきっかけに、1日数百名の感染者が出ています。
これを受けて、5月19日からはロックダウンの一歩手前、飲食店はテイクアウトのみ、イベントは軒並み中止、職場体制を整えるなどの『警戒レベル3』の状態になっていました。
そんな中で台湾へ戻ってきたので「帰れるのだろうか」と緊張していたのですが、結論からいうと思ったよりもすんなりと入国できました。
語弊があるといけないのですが『すんなり』とは、台湾の水際対策がとても効率よく進められていて、成田に帰国したのとは比べものにならないくらい、スムーズに帰国できたという意味です。
とはいっても、現在の台湾では、外国人の入国に制限があります。
出典:全國疫情警戒第三級延長至6月28日,相關防疫措施持續執行,嚴守社區防線
出典:因應全球Delta變異株流行,自6月27日零時起,全面提升入境人員檢疫措施
台湾へ入国できる人の条件
・有効な居留証(在住権)を持っている人
・台湾国籍保持者(台湾国民)
のみです。
5月19日〜警戒レベル3の期間中は、新規ビザの受付を一時中止しています。現在有効な停留ビザやを持っている人の入国も中止しています。
外国人の場合は、居留証(ビザとは別です)を持っていない人は基本入国できない状況です。
出典:5月19日零時起暫停未持有我國居留證之非本國籍人士入境,及暫停旅客來臺轉機
日本から台湾へ入国する流れ(※6/27修正)
台湾へ入国できることを確認したら、実際に入国するのに以下の準備をします。
・航空券の手配
・PCR検査予約(渡航日の72時間以内の陰性証明が必要)
・空港から隔離場所までの移動手段を確保
・隔離ホテルの手配
・台湾へ入国する前に、台湾政府の求める『入境檢疫系統』を記入しておく
※6/27以降の入国では、隔離終了の前日にPCR検査が必要になりましたが、終了前のPCR検査は移動方法含め台湾政府が用意するため、準備が必要なことは特にありません。
台湾渡航への航空券を手配
今回チャイナエアラインのマイレージで日台往復のチケットを交換したのですが、帰国日がちょうど5月18日だったんです。
台湾で100人以上の感染者が出たのが、ちょうど5月14日ごろ。しかも乗るはずのチャイナエアラインでクラスターが出たということで、台湾へ帰る飛行機がキャンセルになりました。
一度延長したものの、2週間後に再度キャンセルの通知がきて、これはもうチャイナエアライン飛ばないな、と思い同じ系列で安定的に日台の往復便が飛んでいるJALに変更してもらいました。
最初は日本のチャイナエアラインに電話したんですが、『チケットの性質上、変更できない』と言われてました。今のチケットをキャンセルして自分でJALなり買い直すしかないと言われたんですが、納得いかず、国際電話で台湾本社に電話したら拍子抜けするほど簡単にタダでJAL便を手配してくれました…。
チャイナエアラインやエバーは本社が台湾だから、母国語でなくて不便な点はあるかもしれないけど本社にゴネたほうがいいなと改めて思いました…(日本のチャイナエアラインクルーのみなさん嫌な客でごめんなさい)。
PCR検査の手配
台湾入国には、渡航から72時間以内の英語のPCR陰性証明が必要なんですが、特に指定のフォーマットはなく(検査方法はRT-PCRという指定があります)、電子データ(PDF)でもOK。
わたしは『神田北口診療所』というところをネット予約したんですけど(安かったから)、ここ英語の陰性証明を最短数時間でメールしてくれるんです。
値段も英文つきで1万6,000円と、台湾でやったPCR検査と比べると全然安い!
私はA6Cというコースを予約したよ
ネット予約のみ受け付けているんですが、
かなり直前までキャンセルが簡単にできて(何度もチケットが変更になったのでせざるを得なくて)、渡航の2週間前からすぐに予約ができたのですごい助かりました。
コロナ感染者多いだけあって、PCR検査が日常になってる!
他県に出張・里帰りの前に受けたりするらしく、かなりスムーズにできました!(いいのか悪いのか分からんけど)
空港から隔離場所までの移動手段の確保
空港から隔離する場所までは、もちろん公共機関を使えないので基本は隔離タクシーになります。
台北の空港から、中部や南部へ移動する際には料金が定額で決まっているようですが、私が台北・松山空港から台北の自宅に戻る際には普通にメーターが周り、現金で支払いをしました。
大体、300元(約1,200円)で帰ってこれました。
※2021年6月27日以降、家族や友人が隔離者を個人で迎えに来ることが禁止されています。違反すると最大15万元の罰金となります。(出典:即起禁止入境旅客親友機場接機 違者最高罰15萬)
隔離ホテルの手配
台湾へ入国後は、14日間の隔離期間があります。
自宅か隔離ホテルどちらかを選べますが、自宅に家族や他の人が住んでいる場合は、自宅での隔離はできません。※2021年6月27日以降、一人暮らしでも自宅での隔離ができなくなりました。一律、台湾政府が認可している隔離ホテルでの14日間の隔離が強制になります(自費です)。
ただ隔離ホテルはかなり値段が張るんですよね…。
物価と同じく、台湾でも首都圏の台北・新北の隔離ホテルは特に高くて、1泊1,500〜7,000元(約6,000〜28,000円)程度までピンキリ。
補助金が申請できる理由の出入国であれば、1泊1,000元の補助が出るのですが…補助金申請は条件が結構厳しいです。
そもそも、1泊2,000元以下のホテルは衛生環境が最悪らしい(聞いた話)。
台湾の隔離ホテル一覧表は、私はこちらの記事を参考にしました。
出典:因應全球Delta變異株流行,自6月27日零時起,全面提升入境人員檢疫措施
隔離終了1日前のPCR検査(※2021年6月27日以降必須)
2021年6月27日以降、隔離終了の1日前のPCR検査が義務付けられています。
- 例)2021年6月1日に入国した場合、隔離終了して外に出られるのは6月15日の24時以降(Day14)です。この場合、期日の1日前とは、6月14日(Day13)を指します。
隔離終了前のPCR検査ですが、こちらは政府負担になります。PCR検査の予約も、移動手段も、地方政府(例えば台北の中山区の隔離ホテルに滞在しているなら、中山区の警察庁もしくは、衛生福利部のどちらから、または両方から連絡が来る可能性が高いです)が用意してくれます。
PCR検査の料金は、台湾政府負担ですが、移動にかかる交通費や、病院での掛號費(受付料でおそらく100〜200元)は自己負担になります。
よかった…PCR検査は自己負担じゃないんだね。
Q4.居家隔離/檢疫期滿前1日進行PCR檢測,民眾是否須負擔檢測費用?
A4.PCR檢測費用由政府支應,民眾無須負擔,至於前往醫院衍生其他費用如交通費、掛號費及部分負擔部分,原則由民眾自付
入境檢疫系統
台湾へ入国する前に、『入境檢疫系統』という入国システムの記入を済ませます。
具体的には、入国する自分の身分をシステムに入力します。
パスポートや居留証番号はもちろん、現地の電話番号から入国日、滞在先の住所などです。
搭乗の48時間前から記入が可能になります。
中国語か英語しかないですが、がんばりましょう。
日本もこうやって、必要な情報このシステム一個だけにまとめて
あとで追えるようにすればいいのにね…。
出国〜隔離終了までの流れ
(※こちらは2021年6月4日に台湾へ入国した際の記事です)
さて、全て準備が整い、やっと出国日に。
いつも悲しいから送らないでと言っているんですが、母が仕事休みで朝も早めの便だったので、羽田空港まで見送ってくれました。
もう何度も飛行機がキャンセルになってたから、帰らねば…!という気持ちが大きくて、あまりセンチメンタルな気持ちになりませんでしたw よかったー。
当日の羽田空港はこんな感じ。
免税店は、開いているところは入国審査でたあとのここだけでした。お客さんも全然いない。
イートインスペースは一応開いていました。
今海外を行き来している人たちは、きっと、わたしと同じように理由があるんだろうなあ。
さっそく飛行機に搭乗。
JALに乗るのはすごく久しぶりでしたが、信じられないくらい機内食美味しくて、CAの方親切でサイコーでした。
いつかいってみたい、台湾から1番近い日本の島『与那国島』を通り過ぎ、
3時間のフライトを終えてあっという間に台湾につきます。
1年半も帰れなかったのは何?っていうくらいに日本と台湾の距離は近い。
台湾に着いてなんとなくスマホで気温をみると、32度。うーん、さすが台湾。台湾を出たときはまだ18度とかで冬だったのに帰ってきたら夏になってました。
スマホの電源を入れると、入国前に記入した入国管理システムから連絡が来ているので、自分のパスポート下6桁を入力して、データを引っ張ってきます。
飛行機を降りて入国審査の前に、PCRの陰性証明とこの入力データを確認されます。
私はPCR検査、一応カラーコピーしていきましたが、他の乗客たちは全部スマホ見せておしまいでした。
すっごくスムーズで、効率よくて感動した
あっという間に出国ゲートを出て荷物を取り外に出ると、市街に出るルートを案内されます。
隔離タクシーの場合は、指定の用紙に住所を記載。
これを空港職員がタクシーの運転手に渡して、私はタクシーに乗り込むだけです。
ここまでたぶん、飛行機ついてから30分と経ってないと思う。めっちゃ早い。
隔離タクシーはこんな感じのビニールがかかっていて、お金のやりとりするところだけが開いています。
飛行機が着陸してからものの40分くらいで、自宅に到着。
在宅で隔離中の注意点
(※2021年6月27日以降は、在宅での隔離が禁止されています)
自宅隔離での注意点は『ゴミ捨て』くらいかなと思います。
隔離から1〜2日くらい経つと、自治体からゴミ捨て方法についての案内が届きます。
私が住む新北市では、基本的には2週間ゴミ出ししない、したい場合は週に2回、予約すれば回収しに来てくれるので同封のゴミ袋にいれて(分別不要)準備しておくとのこと。
野菜や果物は皮も食べてるからあまりゴミが出なくて(PETは洗えば放っておけるし)結局一度もゴミ捨てしませんでした!
15日目から外に出れるのですが、14日の隔離期間が終わってもその後+7日は自主健康管理期間。
基本的には通常通り生活を送って良いのですが、
①公共の場所を避けること
②急を要さない場合は、病院へ行かない
③外出時はずっとマスク着用
④手洗いうがいをしっかりする
⑤朝と夜体温を測って体調管理をする を守る必要があります。
出典:What is self health management(楊靖慧副組長-什麼是自主健康管理) 英語
隔離期間中は、こんな感じで生活しており、毎日があっという間でした!
最後に
日本に入国するときと比べると、やはりPCR検査が簡単で安かったこともあって台湾への入国は容易だなと感じました。
飛行機が台北の松山空港に着陸してから、ほとんど1時間以内には家でゆっくりくつろげていたので、本当に台湾の行政素晴らしいなあ…と感動しちゃいました。
とはいえ、厳戒態勢の台湾に迷惑は掛けられないので、
+7日間の自主健康管理をしっかりして過ごします!
それでは、また〜。
コメント
はじめまして。
最近になって、自宅隔離が禁止になってショックを受けています。
でも、とても参考になる情報をたくさんありがとうございました。
1つ質問があるのですが、台湾の空港到着後のPCR検査はありませんでしたか?
あった場合、唾液なのか鼻からなのか知りたいです。(子連れで戻るので)
みかんさん
はじめまして。
返信が遅くなってしまい、申し訳ありません。
先ほど2021年6月27日に公開された台湾衛生局の情報を元に、ページを更新しました。
台湾の空港へ到着後のPCR検査はありませんでした。
今義務付けられているのは、台湾入国前72時間前の検査と、隔離13日目の検査ですね。
台湾のPCR検査は、わたしが聞いたところだと鼻からと聞いています(出国時に台湾でPCR検査をしたときも、唾液はなく鼻からしかないと言われ、渋々鼻から検査を取りました)。